20年程前、疑問に思って実験したことがあります。公共工事で土壌改良材の配合についてなぜその配合になっているのかという疑問です。1m程度のイチイとドウダンツツジの若木を5本づつ買ってきて、根についた土を洗い流しました。そして同じ大きさに根を切りそろえ、5つの違う土壌条件で植えました。畑で木の枠を作成し両面をアクリル板にして埋め戻し、土を掘り起こすと、発根の途中経過を観察できるようにしました。実験期間は春から翌春までの1年です。土壌条件で地上部分と地下部分の変化を観察したわけです。実験最後には木枠をばらして、それぞれの木の根についた土を洗い流し伸長量などを比較しました。簡単に言えば、実験結果は伸長量が大きいのは肥料がない土壌環境にある木でした。肥料分が多い土壌では伸長量は最も少なくなりました。根の形状も全く違いました。結果は当たり前のようですがその時は若かったし楽しい実験でした。実験はその後の仕事にも影響していて、根を見る目が変わりました。例えばイチイの移植では土壌に肥料分がある程度少ないイチイの方が肥料分を吸収する細根が出やすいことが分りましたし、いろんなことを実験するようになり、苗木を買っては枯らしたり、在庫にある木を枯らしたり、売れなくして楽しみました。
2019/01/28
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