飛騨高山の雪は湿気が少なくさらさらで、軽い雪が降ります。雪の量もそれほど多くありません。しかし平成26年(2014年)の12月に重い雪が降りました。その時、多くの木が被害を受けました。そのため翌年、断幹した木の数量は219本になりました。(お陰で開始から3週目で7㎏体重が減り健康体となりました。)その際色々な種類の被害木がありましたが、幹折れした木の多くが、過去の樹冠頂部の幹折れ箇所から数本分岐した幹でした。大径木では昭和56年の大雪で折れた後分岐した幹であることが推察されました。
本来、入皮で2本立ちのように双状になった木の伐採(断幹)の時には、その2本をラッシングベルトなどで断幹中に幹割れしないように締付けて作業します。しかし、片方が落下して欠損している場合の断幹は締付けることができないため大変危険です。まず検討するのは「伐倒できないか」です。次に「高所作業車やクレーン等が使用できないか」、「幹折れしないようにケーブリングできないか」、などです。どうしても昇らなくてはいけない時は、断幹方向幹割れする方向にリギングはしてはいけません。加えて幹に力が掛らないように地上に幹を激突させ、飛び跳ねを防止するセッティングを検討したり、周囲に木があればトランスバースを検討するなどが必要です。繰り返しになりますが、まずは登らない方法を考えることが必要です。登りたくなるのは高い所が好きなのだろうか?馬鹿なのか?ついつい登ろうとしちゃいます。
追加:ケーブリングした木を断幹する際は、ケーブリングした上に枝や幹が接触したり、枝の場合はケーブリングの上に乗らないように注意しないといけません。枝を外しに行くのは危険で大変ですし時間も掛ります。ケーブリングしている上に幹が落ちてその衝撃で幹折れしたら、幹と一緒に地面に真っ逆さまです。加えてケーブリングが必要な弱い木の場合、ケーブリングを引っ張りすぎると断幹の衝撃で反対側に折れますな。
2018/12/03
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